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菊池 満; JT-60チーム
AIP Conference Proceedings 1150, p.161 - 167, 2009/07
JT-60は等価臨界条件を達成することを目指した大型トカマクであり、1985年4月に運転を開始し、2008年8月に運転を終了した。JT-60は1996年にイオン温度の世界記録45keVを達成し、ギネスブックに掲載され、電子温度も世界記録20keVを達成した。また、等価エネルギー増倍率の世界記録Q=1.25を達成した。JT-60ミッションの達成に並行してトカマクシステムのパルス運転という性質の克服のために、自発電流を最大限用いた定常トカマク炉の概念構築を行った。この概念構築は、トカマク研究の方向性を低安全係数(高プラズマ電流)、高トロイダルベータ領域から、高安全係数、高ポロイダルベータ領域にドラスティックに変更し、しばしば先進トカマク研究と呼ばれた。本講演では、おもにJT-60で明らかにされた定常トカマクの物理、具体的には、自発電流,電気伝導度,ビームと電子サイクロトロン電流駆動,負磁気シア,電流ホール,自己組織化臨界,内部輸送障壁等について述べる。